子供にも起こる「貧血」。
それは乳児期から始まることもあります。
そもそも血液中の何が減少すると貧血なのでしょうか?
血液中の成分とは?
乳児期幼児期小児期、意外なことが原因で引き起こされる貧血も合わせて
その予防と対策をまとめました。
意外とみんな知らない?「貧血」とはどういう状態なのか
血液とは
血液の中には、免疫に関わる白血球、酸素を運ぶ赤血球、止血に関わる血小板があります。血液が赤く見えるのは、赤血球の色が赤いためです。赤血球は、主に骨の中の骨髄と呼ばれる部分で作られます。
貧血とは
赤血球が何らかの原因で作られなくなったり、壊れやすくなったりすることで、赤血球が少なくなり、さらに赤血球の中のタンパク質であるヘモグロビンが少なくなることを「貧血」と言います。赤血球の形は楕円状で中心が凹んでいます。これは、表面積を多くして、少しでも酸素を取り込みやすい形になっています。ヘモグロビンは10g/dl以下で「貧血」と診断していることが多いです。
- 血液の構成成分は白血球、赤血球、血小板
- 赤血球が減少することが「貧血」
血液の中の白血球、赤血球、血小板にはそれぞれ役目があります。例えば火傷をして炎症が酷くなると免疫を上げようと白血球の数値が増加します。内科的な炎症でも白血球の値は上がります。同様に貧血かどうかを表す数値は赤血球の値ということになります。
原因は…?子供にも起こる貧血
乳児期
原因として、生後6カ月頃になると、体内にある貯蔵鉄が一旦無くなってしまうからです。母乳やミルクに含まれる鉄が多くなく、体重を大きく増加するために、使いきってしまいます。
鉄は消化管から10%程度吸収されますので、乳児期では1日5mgの鉄を必要とします。しかし、母乳に含まれる鉄は1リットル当たり1mg程度、牛乳に含まれる鉄は1リットル当たり0.5mgです。このように成長が加速する時期に貧血が見られやすいです。
生後6カ月頃から、免疫力が低下しますので、多くの感染症にかかりやすいために、鉄の消費が増えてしまいます。
幼児期〜学童期
原因としては、偏食が多いです。
ただ、食物アレルギーの治療上、食材が制限されることがありますが、鉄に関して言えば、食物アレルギーの原因として少ない肉類に鉄は含まれています。
「牛乳貧血」と言って、牛乳の好きな子どもは要注意です。長期大量の牛乳を摂取することで鉄欠乏性貧血になります。
思春期以降の女性では、生理による出血により、鉄が不足気味になりますので、疲れやすい、だるい、脈が乱れる動悸、息切れ、めまい、注意力散漫など、訴えのできる年齢では、こうした症状にも注意が必要になります。
- 子供にも起こる貧血
- 鉄欠乏性貧血が多い
私の息子は免れましたが、ママ友さんの娘さんは生後6ヶ月過ぎに鉄欠乏性貧血になりました。好き嫌いが多いママさんで母乳授乳期だけ色んな物を食べていましたが、その時だけ頑張ってもそれまでの食生活がこういうところに出るんだねとそのママさんと話したのを覚えています。
スポーツが原因の場合も?!子供の貧血、こうして起こる
スポーツが原因の貧血がある
原因に関わらず、スポーツによって引き起こされる貧血をまとめて「スポーツ貧血」と称されることがあります。この中には鉄分の不足による鉄欠乏性貧血も含まれていますが、狭義のスポーツ貧血とは、衝撃あるいは激しい筋肉の収縮運動によって、赤血球が破壊される貧血を指します(赤血球が壊れるタイプの貧血は、溶血性貧血と表現されます)。スポーツ選手では鉄所要量も異なりますが、鉄欠乏性貧血については前述しましたので、ここでは狭義のスポーツ貧血に眼を向けてみたいと思います。
広義のスポーツ貧血 1、狭義のスポーツ貧血 = 行軍貧血(赤血球の破壊による貧血) 2、鉄欠乏性貧血 3、その他
狭義のスポーツ貧血は毛細血管への衝撃によって引き起こされる
動脈や静脈の壁はそれなりに厚みを持っていますが、酸素の受け渡しの場である毛細血管の壁はうすくなっています。運動によって何度も繰り返して強い衝撃が加えられる足の裏では、その中を流れる赤血球が壊されてしまうのです。
足の裏へ何度も強力な衝撃が加えられるスポーツといえば、長距離走や剣道、バスケットボールやバレーボールなどです。こうした部活動を中心に、様々な運動によって引き起こされることがあります。なお、運動によって生じるこの溶血性貧血は、延々と行進する軍隊で貧血を招いたことから「行軍貧血」と呼ばれていました。
スポーツ貧血の治療はドクターストップをかけるしかない
思春期にある中高生は、部活動での運動も活発になるため、鉄分不足でもないのに貧血ということがあれば、スポーツ貧血も考慮しなければなりません。この場合、鉄分を補っても貧血は改善せず、運動を休止することで改善につながることがあります。
医者としては健康を優先すべきですから、スポーツ貧血の治療にはドクター・ストップをかけざるを得ません。運動(部活動)を休みたくないという気持ちも理解できますが、成長過程にある思春期、焦ることはないのです。じっくりと貧血を改善することで、結果としてスポーツの記録向上にもつながります。
- スポーツによって引き起こされる貧血をまとめて「スポーツ貧血」という
- 繰り返される衝撃で足の裏の毛細血管に流れる赤血球が壊れる
- 治療は運動休止しかない
部活に入って大好きな運動を思い切り続けたいと思っても思わぬところに落とし穴があるかもしれません。「溶血性貧血」は私も初めて聞きました。足の裏の毛細血管は薄いから中を通っている血液の成分が壊れるという事態になるんですね。悲しいけれどそうなったらまずは治療しましょう。
1日3回の食事が大切|子供の貧血予防のために摂らせたい食品
まずは1日3回の食事から
鉄はもともと体内に吸収されにくい栄養素です。おとなに比べて食事量の少ない子どもは、朝食を食べないなど1食抜くだけで鉄不足になりがちです。まずは1日3食を守り、そこに鉄分豊富な食品を取り入れていきましょう。
3回の食事で鉄分摂取を意識する
鉄分には2種類あり、肉類や魚介類に含まれるヘム鉄と、野菜類に含まれる非ヘム鉄があります。卵や乳製品は動物性食品ですが、含まれている鉄は野菜類と同じ非ヘム鉄です。
ヘム鉄は吸収率がよく、食べた量の15〜25%が吸収されます。ヘム鉄が抜群に多い食品といえばレバー類ですが、独特な臭みが苦手な子どもも多いもの。水につけて血抜きをしたり、牛乳につけると臭みを抑えられます。子どもの好きなケチャップ味やカレー味で仕上げてもよいでしょう。
非ヘム鉄は吸収率は5%と低いのですが、ビタミンCと一緒にとると吸収されやすくなります。ほうれん草などの青菜類やブロッコリーなどは、鉄とビタミンCを両方多く含むのでおすすめです。
食材
<ヘム鉄が豊富な食品>
レバー類・牛もも肉・魚の血合いの部分・あさり<非ヘム鉄が豊富な食品>
ほうれん草・小松菜・厚揚げ・ひじき・切り干し大根
- 貧血予防のためにも1日3回の食事が基本
- 鉄分摂取を心がける
- 吸収されやすいヘム鉄とビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がる非ヘム鉄
- それぞれの食材を覚えておこう
鉄分を体内に留めておくのはわりと難しいとよく聞きます。なので、貧血予防には体内に吸収されやすい食材を摂るように心がけるといいでしょう。育ち盛りの子供は食べやすい味付けにすることでレバーやひじきも食べられるようになると思います。
おいしい!貧血を予防し子供も喜ぶ☆一石二鳥の健康レシピ
鉄分たっぷり!ひじきの和風コロッケ
子供たちも大好きなコロッケで、手軽に鉄分補給!
材料 (俵型20個分)
ファミリーマートコレクションのひじき煮 2パック
じゃがいも 3〜4個
バター 20グラム
塩コショウ 少々
小麦粉 適量
卵 1個
パン粉 適量
揚げ油 適量
作り方
1 じゃがいもを茹でる。柔らかくなったら、お湯を切り、温かいうちにつぶす。
2 そこにバターを入れ、よく馴染ませる。
3 ファミリーマートコレクションのひじき煮を入れ、よく和える。
4 好きな形に整える。今回は子供に合わせて小ぶりな俵型にして、ちょうど20個。
5 小麦粉、卵、パン粉の順番に付ける。
6 180度に熱した油で、こんがりキツネ色に揚がればできあがり!
コツ・ポイント
お肉ではなく、ひじき煮入りだから、揚げ物でもヘルシー。
もう少しボリュームがほしければ、ツナ缶を混ぜ込んでもよさそう。
その時はバターの量を減らした方がいいかも。
鉄分&カルシウム入り ココアクッキー
まるでカロリー○イトの味!!
子供のおやつにはもちろん、妊婦さんや授乳中のママにも♪材料 (20個くらい)
◆薄力粉 150g
◆ベーキングパウダー 3g
◎サラダ油 40g
◎ミロ 20g
◎砂糖 20g
◎卵 1こ
◎塩 ひとつまみ
作り方
1 ◆をボウルに入れて泡立て器でぐるぐる混ぜほぐす。別のボウルに◎を上から順番に加えながらダマがなくなるまで混ぜる。
2 全ての材料を合わせて生地を一つにまとめ、クッキングシート等の上で四角い形に平 らに伸ばす。厚さ1.5㎝くらい。
3 2をラップに包み冷凍庫に入れて保存しておく。あとは食べたいときに出して焼くだけ ♪
4 焼くときは冷凍庫から出して包丁で切り分け、180℃のオーブンで約12分焼きます。焼き加減はお好みで調整してください。
コツ・ポイント
時間があるときに生地まで作って冷凍するので、あとは食べたいときに焼くだけの簡単おやつです。
牛乳と食べればさらに栄養満点ですよ〜(^^)
- 美味しい貧血予防メニューを覚える
- おやつも貧血予防でまとめよう
予め味がついているひじきを使ったり鉄分が豊富なミロを使うなど、アイデア満載の貧血予防メニューですね。美味しいと思ってもらえなければ続かないと思うのでこのアイデアは私も参考にしたいです。もちろん大人にも応用が利きますよね。