赤ちゃんには、いつぐらいから牛乳を与えても良いのでしょうか。
牛乳アレルギーが心配だから、と大きくなってから与えようと思っていませんか?
アレルギー予防のためにも、成長に合わせて離乳食に少しずつ使っていくのがおすすめです。
参考になる情報を集めました。
牛乳はいつぐらいから使える…?離乳食での与え方をレクチャー
適切な時期に飲ませる
いままでは母乳やミルクを飲んでいましたが、いつかは牛乳も飲ませなくてはいけません。牛乳は栄養価が高く、健康のためにもぜひ飲みたいものです。
また、学校給食では、毎日牛乳が出されるので、給食で毎日おいしく飲めるようになるのが理想ですね。
そんな牛乳ですが、他の乳製品と同様にアレルギーなどの心配もあり、牛乳を飲ませるのは怖いという方もいるのではないでしょうか。
適切な時期に適切な方法で牛乳をあげることで、それらの心配も軽減することができます。
まずはヨーグルトなどの発酵食品を
牛乳は調理して利用する場合には、離乳食中期(7.8カ月)ごろから、直接飲ませるには1歳ごろから赤ちゃんに与えることができます。
離乳食初期(5.6カ月)ごろは乳製品のなかでもヨーグルトやチーズなどの発酵食品を与えるようにしましょう。
ヨーグルトやチーズといった発酵食品はたんぱく質の分子が小さく消化、吸収しやすいですが、牛乳はたんぱく質の分子が大きく、初期のころの赤ちゃんでは消化、吸収が上手くできません。
食べやすい発酵乳製品で慣らしてから、牛乳を与えはじめるようにしましょう。
また、そうすることで、アレルギーの可能性も軽減できます。
アレルギー予防にも
アレルギーのことを考えると、大きくなってから与えたほうがよいのでは、と考える方もいるかもしれません。
しかし、「皮膚感作」という仕組みでアレルギーが起こることを考えると、離乳食時期から牛乳を与えたほうがアレルギーを防ぐことができます。
皮膚感作とは、皮膚炎などで傷んだ皮膚に食べたことのない食物が触れることにより、身体が過剰に反応し、その食物にアレルギー反応を持ってしまうという仕組みです。
この反応を防ぐには、事前に体内からその食物に触れている必要があります。
- 牛乳は栄養価も高く、おいしく飲めるようになるのが理想。
- アレルギーの予防にも、適切な時期から飲ませよう。
- 離乳食初期の5~6カ月目は、発酵食品から与え始める。
- アレルギー予防の観点からも、離乳食時期から牛乳を始める。
今は食物アレルギーを持つ可能性が高く、離乳食として牛乳を与えるのは怖い、というお母さんもいらっしゃることでしょうね。でも、幼い頃から始めた方がいいんですね。
与える「量」も大切です。牛乳を離乳食で使う「時期」に加えて知っておきたいこと
少量から徐々に増やす
離乳食中期から、牛乳を使って調理した離乳食を与え始めます。
その際、発酵乳製品の量も一緒に増やしていきます。赤ちゃんに牛乳をあげる時には、50CCくらいから始めるのがベストです。体調や便通に問題がなければ、少しずつ量を増やしましょう。
1歳を過ぎたら、直接牛乳を飲ませて構いませんが、最初のうちは人肌程度に温めてから飲ませるのがおすすめです。それで問題がなければ、室温に戻したものを飲ませ、大丈夫なことを確認してから冷蔵庫から出したものを飲ませるなど、段階的に進めてください。
1歳を過ぎても量には注意
1歳を過ぎた赤ちゃんの1日の牛乳の摂取量は、発酵乳製品も含めて300CC程度とされています。
哺乳瓶やベビーマグなどに入れて飲ませると、飲みすぎてしまう可能性があるので、乳児期はスプーンやコップで飲ませるようにしてください。
- 離乳食の中期から、牛乳を使った離乳食を始める。
- 50CCくらいから始めて、徐々に量を増やすようにする。
- 直接牛乳が飲めるようになっても、人肌に温めてから。
- 1歳を過ぎてからも、1日の摂取量は300CC程度に抑える。
栄養価の高い牛乳は、幼稚園のおやつや学校給食としても使われる頻度が高いもの。ぜひ、心配なく摂取できるようにしてあげたいですね。少しずつ慣らしていきましょう。
毎日のメニューに悩んだらこれ!牛乳を使う離乳食のレシピ
牛乳を使った離乳食レシピ
1歳になるまでは、離乳食として加熱した牛乳を使いましょう。
ここでは、離乳食中期以降の牛乳を使った離乳食をご紹介します。
ミルクパン粥
中期であれば、ミルクパン粥がおすすめです。
鍋に沸かした牛乳に小さく切った食パンを入れ、ひと煮たちしたら完成です。
甘味が欲しいときは、ここにかぼちゃのペーストをいれてもいいですね。
食パンの耳は硬いので、入れないようにしましょう。
卵を試していない場合は、食パンに卵が入っていないか事前に確認してくださいね。
パンケーキ
手づかみ期以降なら、ホットケーキミックスに牛乳と卵をいれて作るホットケーキがおすすめです。
すりおろした人参や加熱したリンゴを加えると、栄養も満点です。
つかみやすいように、小さく焼いてあげてくださいね。1枚ずつ冷凍保存しておくと、すぐに出すことができて便利です。
ホワイトソース
ホワイトソースも牛乳で簡単に作ることができますよ。
鍋に牛乳と薄力粉をいれてよく混ぜあわせ、バター(できれば無塩のもの)を入れて中火にかけます。ダマにならないように丁寧に混ぜ、とろみがついたら完成です。
グラタンはもちろん、パスタや加熱した白身魚にかけても良いですね。キューブ状の製氷機にいれて冷凍しておけるので、まとめて作っておくと重宝します。
- 牛乳は過熱して摂取させたいので、料理に使う。
- ミルクパン粥はおすすめ。カボチャペーストを入れても可。
- 手づかみ期以降なら、ホットケーキ。小さく焼く。
- ホワイトソースのパスタやグラタンもおすすめ。
少しずつおしいしく食べて、慣れて行ければいいですよね。しかも、作り置きができたり、冷凍保存ができるのはありがたい。毎日のことだから、離乳食も効率的にしたいもの。
こんな症状が出たら病院へ|牛乳アレルギーの可能性があります
下痢・嘔吐・血便
牛乳アレルギーだと急に吐いたりお腹が下ったりする消化器症状がよく起こります。
胃や腸が牛乳を異物と判断し、下痢や嘔吐によって体の外に出そうとするためです。
症状が強ければ腸が炎症を起こし血便がみられる場合もあります。
生まれつき牛乳への耐性がない赤ちゃんですと、生後間もない時期から症状が出ます。早めに小児科を受診しましょう。
体の発育が遅れる
牛乳アレルギーの赤ちゃんに粉ミルクを飲ませ続けた場合、うまく栄養が取れず体の発達が遅れる恐れがあります。
粉ミルクは牛乳を原料として作られているため、牛乳アレルギーを持つ赤ちゃんが飲むとうまく消化できません。
腸の中も炎症を起こした状態が続き栄養分を吸収できないため、体重がなかなか増えず成長が遅れる原因となるのです。
牛乳アレルギーの赤ちゃんは、発育の遅れの他に「顔色が悪い」「いつも機嫌が悪い」「お尻のただれが気になる」などの症状が重複して現れることが多いです。
粉ミルクをきちんと飲ませているのにこのような症状が起こった場合は小児科で相談してみることをおすすめします。
湿疹やじんましんが出る
粉ミルクを飲ませたあと、湿疹やじんましんなどの皮膚症状が出ることもあります。
完全母乳で育てていた赤ちゃんに初めて粉ミルクを飲ませたら、顔中にじんましんができて牛乳アレルギーと判明するケースも。
ミルクを飲んでしばらく経ってから症状が出ることもあり、牛乳アレルギーと気づきにくい場合があるので注意が必要です。
- 牛乳アレルギーによくある症状は、下痢や嘔吐。
- 生まれつき耐性がない赤ちゃんは、早めの受診を。
- アレルギーだとうまく消化できないので発育が遅れる。
- 湿疹やじんましんが出る場合もある。
赤ちゃんがミルクをうまく消化できずに、発育が遅れ気味になるのは痛々しい。一早く原因を明らかにしましょう。何より元気に育ってほしいのが親。よくよくウォッチしましょう。
覚えておいて、飲み過ぎによる【デメリット】…牛乳を与える際には要注意
貧血や肥満になりやすくなる
「貧血!?」と驚いた方もいると思います。
原因は牛乳に含まれているリンです。
リン自体も骨を形成するための大事な栄養素ですが、摂りすぎると鉄分やカルシウムなどの他のミネラルの吸収を阻害してしまいます。
カルシウムの吸収が阻害されるということは骨にカルシウムが行き届かなく、そのような生活が長く続くと将来骨粗鬆症、癌などのリスクが高まります。
リンは加工食品やスナック菓子などに”リン酸塩”として使用されているので、現代人は結構毎日のようにしっかりリンが摂れています。
そこにさらに牛乳をたくさん飲んでしまうとリンの摂りすぎになってしまうのです。
また、肥満に繋がる理由はタンパク質の過剰摂取のためです。
筋肉や血液になるはずのタンパク質(お肉など)が余ると体脂肪に変わってしまうので、その結果肥満に繋がってしまうというわけです。
寝る前に牛乳を飲むんでも虫歯予防にはなりません…
「寝る前に牛乳を飲むと虫歯になる」と聞いたことがあると思います。
牛乳に含まれるカルシウムが寝ている間に歯を丈夫にするとかそんな感じだと思いますが、しかし、そんな科学的根拠はありません。
牛乳にも糖分が含まれています。糖分は虫歯菌の大好物なので寝る直前に飲むとかえって虫歯のリスクが高まってしまいます。
乳歯が虫歯になってしまうと永久歯が生え始めた時に永久歯も虫歯になってしまう可能性があります。寝る前に牛乳を飲んだあとはしっかり歯磨きをしましょう。
- 牛乳は、与えすぎにも注意が必要。
- 牛乳に含まれるリンやタンパク質の摂りすぎはNG。
- 寝る前に飲むと虫歯予防になる、という科学的根拠はない。
体に良いから、とただたくさん摂取させればよいわけではないですね。どんなに体に良いものでも、摂り過ぎはNG。特に、貧血や肥満、虫歯、とはどれも厄介ですね。