教科書を音読することで、理解度や暗記力アップになるという説があります。実際、自分の勉強法として取り入れ、効果を実感している人もいるようです。
しかし「音読」といっても、やみくもに読めばいいわけではないようです。
正しい音読の方法や効果を紹介します。
どんな効果が?教科書を音読することで得られる効果とは
音読の効果
音読をする事で、まず「口」を使います。
「耳」で聞いて、「目」で文を追います。
この事で、頭に内容や文の構成などがすんなりと、しかも自然に入ってくるのです。
これは、何も国語だけに限った事ではありません。
算数にも音読が深く関係している
算数の文章題でも、音読で問題を読むと、黙読でひっかかってしまったり飛ばし読みしてしまったりしていた箇所も、しっかり頭に残ります。
文章問題の理解度の差
当教室でも、問題をよく読まないうちに「わからない」と持ってきた生徒さんと一緒に音読をしてみると、結構な確率で「あっ!わかった」といって再度問題に取り組みます。
また、お母様から読解力が足らないようだとご相談を受けた時も、音読をお勧めしています。
読解力が足らないという以前に、問題をしっかりと理解していないケースが多いからです。
さらに社会や理科といった分野も、問題を解く前に教科書やテキストをまず読むと思います。
この時に音読をするかしないかで、定着率がかなり違ってくるはずです。
効率よく行いましょう
ただし、音読であればどんなやり方でもよいわけではありません。
当たり前ですが、小声でお経の様に読んでもさほど役には立ちませんし、早口すぎても頭に残りません。
最初は、ある程度自分の耳にも残り、頭がその内容についていける程度の速さで読む事が大切です。
1回目は親御さんが、一緒に読んであげても良いと思います。
- 口と耳と目を使うことで、文章の理解が進む
- 算数の文章題も、音読することで読み飛ばしを防げる
- 音読は読解力アップに役に立つ
- しっかりと耳で聞き、頭で理解できるくらいの速度で行う
人に勉強を教えると、その内容が記憶として定着しやすいそうです。目・耳・口の感覚器をたくさん使うことで、刺激を増やす効果もありますし、相手に分かるように要点をまとめることで理解が深まるという効果です。独りで音読する際も、理解しながらというのが大切なのでしょうね。
教科書を音読すると脳の強化に効果が!
10分間音読法とは?
毎日10分間、音読を続けるという勉強法がある。
たった10分の積み重ねであるが、意外な効果がある。
「10分間音読法」という。
教科書・参考書・テキストの類を10分音読する。
内容を理解しようとか、覚えようという気持ちは不要だ。
とにかく、ひたすら音読する。
10分、経過したらそこで打ち切る。
翌日は続きを音読する。
10分間、ひたすら音読する。
これを毎日繰り返す。
音読を繰り返し、脳を強化
黙読では効果に乏しい。必ず音読する。
1~2か月程度で、一冊読み終える。
読み終えたら、また最初から音読する。
半年間で一冊を5回程度読むことになる。
これだけ読むと概要や論の展開が頭に入る。
用語なども記憶される。
毎日の音読には脳を強化する効果がある。
- 毎日10分間の音読を続ける、という勉強法がある
- 教科書でも参考書でも、1冊を通して音読し、終わったら最初から、を繰り返す
- 半年くらいで内容がしっかり記憶される
「毎日10分間」という枠があることが、長続きにも一役買っているのかもしれません。制限がないと、最初は張り切っていても尻つぼみになってしまう心配があります(私だけ?)しかも1冊の本を繰り返す。一度試して効果を実感すれば、定着するかもしれませんね。
こんな効果も!?教科書の音読で元気になったり、気持ちが穏やかに
音読で元気になれる?
さらに、音読をすると、「精神が安定する」「集中力が高まる」「声を出すことで元気になる」んだそう!
音読だけで、こんなに効果があるのかな~と、少々、疑問がわいてきませんか?いつの間にか学力の問題だけじゃなくなってますし。^^;
私も音読だけで、精神が安定して、元気になれたら楽だよね~なんて思ってしまいましたが、ちょっと思い当たる部分もあるんですね。
確かに、声を出して読んでいると、何だか落ち着くんですよ。
絵本の読み聞かせで実感
これは、子ども達が寝る前に、絵本の読み聞かせを10年ほど続けてきて感じたことなんですが、声を出して読むのって、気持ちがいいんです♪
ちょっとイライラしていても、絵本を読むとだんだん穏やかになれたんですね。
読み聞かせを続けてきた理由は、習慣になっていたのもあるけれど、実は「読んでいる私が気持ちいい」という理由も大きいんですよ。^^
なので、「精神が安定する」のは、実感として納得できます。
- 音読は、「精神の安定」や「集中力を付ける」のにも役立つ
- 子どもたちへの絵本の読み聞かせで、自分が気持ちいいと実感
読み聞かせは、読む側にもいい影響があるのですね。これは初めて知りました。私の読み聞かせの経験は数えるほどですが、そのときの、子どもたちの集中力やワクワクした表情は忘れられません。自覚はありませんでしたが、私の集中力も増していたんでしょうか。
音読は立ってしよう!教科書を見てると眠くなるのを防げる!
目、口、耳の3つの感覚器を使って眠気を飛ばす!
普段、私たちは、教科書を読むときには目視をします。
教科書を読んでいて眠くなるあなた。
もしかして、黙読していませんか。
目視は、視覚しか使っていないので刺激が小さく、だから眠くなります。
教科書を読んでいて眠くなったら、音読をしましょう。
音読をすれば、目が覚めます。
目で読み、声を出し、声を耳で聞きます。
目・口・耳の3つを使って勉強することになるので刺激が大きくなり、覚えやすくなるうえに忘れにくくなります。
「立って音読」で更に刺激アップ
さらに余裕があれば、立って音読をしましょう。
席に座っているのではなく、立って音読をすれば、刺激はさらに大きくなります。
目・口・耳・足の4つを使って勉強することになるので、絶対に眠くなることはありません。
勉強の達人は、音読はもちろん、立って音読をするのです。
引用元-効果的な勉強に「音読」は当たり前。勉強の達人は「立って音読」をする。 | 成績が上がる30の勉強法 | HappyLifeStyle
- 声に出して耳で聴くことで、眠気を防止できる
- 立って音読すると刺激が増えるので、より、眠気防止になる
役者さんの中には、散歩しながら台本を覚える方もいるそうです。目と耳と口と、それから足、刺激をたくさん使って頭に定着させる方法を、自ら編み出されたということなんでしょうか。立って音読の方法、学生時代から知っておきたかったなぁ。
英語の音読が適している人・適していない人とは?あなたにオススメなのは・・
音読をすべきでない人
中学の英文法(品詞・要素・文型)が良くわからない人
この人たちにとって音読は単なる呪文でしかありません。
意味を伴わない音読は非効率です。意味といっても、日本語の意味ではなく、その単語がしたいこと、指し示す方向です。
最初から完璧にわかる必要はありませんが、だいたいの当たり所がわからないと、音読の効果は少ないです。
時間がない人
音読を1週間やれば英語が上達するとかいう類のものではありません。
おそらく効果が出てくるのに半年くらいは必要になります。
TOEICのテストが差し迫っていたり、学校の英語のテストが近い場合は、音読やるよりもテスト勉強したほうが効果的で効率的です。
受験英語とTOEICで音読しかしない人
音読は長期的には受験英語やTOEICに効果がありますが、翻訳や文法の間違い探しと修正に対しては、その効果は限定的です。
受験英語とTOEICの勉強には、細かい文法知識や翻訳の仕方が必要になるので、音読だけだと痛い目を見る可能性があります。
音読をやるべき人
中学の英文法(品詞・要素・文型)を理解している人
TOEICのスコアアップや受験英語の場合は引き続き細かい文法を勉強する必要がありますが、英語を勉強する場合は細かい英文法を勉強する必要はありません。
音読を開始して使える英語の運用能力を高めましょう。
時間がある人
音読をすることで全体の英語能力の底上げをすることができます。
ただし、即効性のものではありません。時間がかかります。音読は時間がある人にお勧めの方法です。
- 文法が理解できていない、時間がない人に「音読」は不適
- 文法が分かる、時間がある人には「音読」が英語能力底上げになる
音読の効果は、目以外の感覚器を使うことで刺激を増やし、記憶として定着させるというものですが、理解しながらというのも大切な要素になっています。英語が母国語でない場合、理解しないままの音読は意味がないということです。また、正しい発音を意識することも大切でしょう。