赤ちゃんに離乳食を食べさせていたら、急に激しく泣き出しました。もしかして、火傷!?
軽度の火傷はあまり心配はいりませんが、重度の場合は、すぐに病院で処置してもらいましょう。
火傷のレベルの見分け方や、直後の処置方法などをご紹介します。
まずは落ち着いて症状の確認|赤ちゃんが舌を火傷してしまったらチェック
火傷にもレベルがあるので確認しよう!
赤ちゃんが口の中を火傷した場合、そのレベルがどの程度なのかを確認するのが先決です。
第1度
軽度な第1度は、舌の粘膜の表層を火傷した状態です。
赤く腫れたり、ピリピリした痛みを感じることがあります。
第2度
第2度になると、舌の粘膜直下の層もダメージを受けています。
そのため痛みが増し、場合によっては水ぶくれができることもあります。
第3度
第3度になると、舌の筋肉までダメージが及びます。
舌の粘膜が、白あるいは黒くなるのが特徴で、強い痛みを感じるだけでなく、感覚がなくなることもあります。
完治できる?
通常、口の中にできた火傷は、他の部分にできたものより、治るのが早いのが普通です。
そのため、口の中を火傷しても、軽度であれば数日で治るものです。
とはいえ、第2~3度の火傷を負った場合は、完治までに1ヵ月以上かかることもあり、その間は味覚に影響が出ることもあります。
- 火傷のレベルチェック
- 口の中の火傷は比較的早く治るが、2~3度の場合は1か月以上必要
手で触れて熱いものでも、口の中は意外と平気なもの。とはいえ、赤ちゃんに大人と同じ物差しは使えません。「熱かったのかな?」と思ったら、食べ物であれば、よく取り除いて様子を見ることが先決でしょう。早めの処置は大切です。
舌の火傷の主な症状…赤ちゃんの口の中の状態は?
火傷からカタル性口内炎に
口の中を火傷すると、いわゆるカタル性口内炎を引き起こします。
- 粘膜がピリピリしびれたような感覚、または痛みがでる。
- 火傷の部分が舌で触るとざらざらする。
- 水ぶくれができる。
- 口の天井の部分や頬、唇の皮がむける。
- 舌が赤くなったり腫れたりする。
- 味覚が鈍くなる。
5と6に関して、舌が腫れることによって、舌の表面に存在している乳頭と呼ばれる突起が消えてしまうことがあります。また、乳頭と乳頭の間にある味の受容体である味蕾がうまく味の情報をキャッチできなくなることにより、または味蕾そのものが破壊されることにより、味覚が鈍りやすくなります。
口の中の火傷は治りやすい
通常、口の中の火傷や傷は治癒が早いのが特徴です。
体の他の部位より数倍も治りが早いと言われています。
その理由は口の中の唾液の抗炎症作用・抗菌作用などによります。
ほとんどの場合は数日~2週間以内で治癒しますが、ひどい場合は1カ月以上かかる場合もあります。
なお、味蕾は2週間ごとに再生するので、その後味覚は元に戻ります。
- カタル性口内炎の症状
- 唾液の抗菌作用などにより、口の中の火傷は比較的早く治る
人の身体ってよくできているなぁ、と思うことがときどきあります。唾液もその一つ。消化を助けたり虫歯を予防したり、最前線で守ってくれているものなんですよね。しかし物には限度というものがあります。無防備は禁物です。
家庭でできる対処法も|赤ちゃんの舌の火傷、気になる症状は病院で相談を
直後の処置は
赤ちゃんが舌をやけどをすると、大人と同じように唾液を出して口の中を洗い流そうとします。
ですので、ぬるいお茶や白湯を飲まして、汚れた唾液を流し、きれいな唾液を出せるようにすると良いです。
急に冷たいものを飲ませると、炎症になる場合もありますので、ぬるめの白湯から少しずつあげてみると良いです。
白湯などを嫌がって飲まない場合は、赤ちゃんでも飲むことのできるイオン飲料などを常備しておき、そのような飲み物を少しずつ飲ませることによって口の中を正常に戻すようにするといいです。
自己判断せず、早めに受診を
痛がったり、熱を出してしまったりする場合は、自分で処置しようとせずに医療機関にお任せすることが必要です。
なぜなら、自己判断することでやけどが悪化したり、別の病気になってしまうことも考えられるからです。
赤ちゃんにおいて症状以外にも心配なのは、やけどをしたことによって離乳食を嫌がる場合もあるということです。
その場合は、食器やスプーンの色を変えたり、離乳食の硬さを変えたり、食べさせる部屋を変えたりすることでまた食べてくれるようになります。
焦らずにじっくりと対処することが必要です。
口の中にひどいやけどのあとが残っていた場合、味覚などに影響を与えることがまれにあります。
ですので、小児科などを受診した時に確認しておきます。
- ぬるいお茶や白湯で、口の中をキレイにする
- 白湯を嫌がる場合、イオン飲料などでもよい
- 痛みや発熱が起こったら、病院へ
- 離乳食を嫌がる場合は、スプーンの色などを変えてみて
あっと思ったら、早めの処置で症状がひどくなるのを防げるケースもたくさんあります。でも、嫌な経験がトラウマのようになってしまうのは赤ちゃんでも同じなのですね。治まるまで、少々の時間がかかるのは仕方ないですよね。
受診の見極め、ここがポイント!舌を火傷した赤ちゃんの症状の目安
皮膚の色で見分ける
手のひらの範囲以下であっても、水ぶくれができた時、白や黒などに皮膚が変色してしまった時は、急いで受診しましょう。
皮膚の変色は、やけどの侵食が深いことを意味します。
赤くなって終われば、自然治癒に任せても大丈夫ですが、それ以外の色に変わった場合は、皮膚の下まで達している証拠なので治療が必要なのです。
Ⅱ度以上もしくはデリケートな部位のやけどは、即病院へ
水膨れができるⅡ度のやけどは、水膨れが潰れると細菌に感染しやすく患部が化膿して傷口の状態が悪くなります。
水膨れを潰さないように注意しながら患部の少し上から冷水を当てるなど水圧に気をつけながら、まずはとにかく冷やします。傷口が化膿しないように綺麗なガーゼを当てて病院にかかりましょう。
更に、顔や陰部など皮膚がより薄くてデリケートな部分は軽度のやけどでもすぐに症状が悪化してしまう恐れがあるので、出来るだけ早めに病院を受診したほうがよいでしょう。
- 白や黒などに変色するのは程度がひどいことを現している
- Ⅱ度以上、または顔や陰部の火傷の場合は、早めに病院へ
早めの処置は、完治までの期間や後々のケアにも影響を及ぼします。慌ててパニックになったり、誤った処置をしないよう、考えられるような事故に対しては、余裕のあるときに処置方法を学んでおくとよいでしょうね。
火傷を予防する為にできること。赤ちゃんの舌はデリケートなので気をつけて!
赤ちゃんは臨機応変に動けない
熱すぎるのはご存じの通り、まだ未熟な赤ちゃんのお口の中を火傷させることになり、大変危険な行為となります。
大人は熱いものを口に含んだと同時にそれが熱いとわかり、すぐに吐き出すことができますので、深刻な火傷をすることはあまりありません。
一方、赤ちゃんは熱いという意識がまだハッキリしていませんので、たとえ熱くても飲みこんでしまう恐れがあります。
口の中だけでなく、喉の奥や食道を火傷する可能性があり大変危険ですので、ミルクをあげる人が必ず温度を確認することが大切です。
なぜ、ミルクは「人肌」がよいのか?
逆に人肌と呼ばれる温度よりも低いと火傷などはしませんが、赤ちゃんが飲まない可能性があります。
赤ちゃんはお腹にいる時からお母さんの温度を体で覚えており、その温度がまさに「人肌」といわれています。
ですので口に含むものもお母さんと同じ温度でないと、適応できないといわれているのです。
万が一飲んだとしても、うまく消化できずに吐き戻してしまったり、途中で飲まなくなったりすることもあるようです。
ただし赤ちゃんにも個人差はありますので、人肌の範囲で少し熱い方が好きな子もいれば、
その範囲で少しぬるめの方が好きな子もいます。
あげているうちに、赤ちゃんの好みがありますので、あくまで危険ではない範囲で温度調節をしてあげると良いでしょう。
- 赤ちゃんは、熱いものを飲み込んでしまい、食道を火傷する可能性がある
- 身体に入れるものは、お母さんの体温と同じものを好む
「お母さんの体温と同じ温度にしか適応できない」なんて聞くと、ますます愛おしくなってしまいますね。食道が火傷して腫れてしまうと、呼吸困難になる可能性もあるので、それは絶対に避けたいところです。