新生児の体重の目安は?生理的体重減少率?こんな場合は要注意!

新生児の体重のめやすとは?生理的体重減少率って何のこと?

新生児の場合、体重変化は健康状態を測る大きな目安ですが、特に順調に増加に転じない場合は、注意が必要です。

生後4~5日目までは一時的に体重が減る生理的体重減少がありますが、その減少率の計算の仕方や、許容範囲の目安など、気になる情報をまとめました。

一般的な身長・体重は?新生児の発育の目安とは

平均体重3kg、平均身長は50cm

正期産(せいきさん)で生まれた赤ちゃんの場合、平均出生体重は約3kg、身長は約50cmですが、もちろん個人差があります。生後3〜5日の間は生理的体重減少といって、一時的に200〜300gぐらい体重が減りますが、1週間くらいで出生時の体重に戻ります。その後は1日に25〜30gぐらいの割合で体重が増えていくことが多いでしょう。

新生児期は注意深く

誕生後しばらくの間は、赤ちゃんにとって外の世界に適応する重要な時期です。このため、生後4週間を新生児期とし、この時期の赤ちゃんを新生児と呼んで、とくに注意深く世話をする必要があります。赤ちゃんの抱き方や母乳の与え方、ミルクの作り方をはじめ、オムツの替え方や着替え、沐浴(もくよく)の手順など、基本的な世話の仕方はお産入院中に指導されますから、退院後はその注意を守りましょう。

引用元-So Da Tsu com|妊娠・育児大百科【生後0ヶ月/赤ちゃんの発育・発達】

  • 正期産の場合は平均体重3kg、身長は50cmが目安。
  • 一時的に少し体重が減るが、1週間くらいで戻る。
  • 生後約4週間を新生児期と呼び、注意深く世話をする。

世界中のお母さんが偉い訳ですね。

お母さんの胎内から生まれ出てきたばかりの赤ちゃんは、大きな環境変化の元にいるんですよね。当然ながら、注意深く見守ってあげないといけませんね。でも、お母さんも出産を終えてすぐから新しい仕事を沢山覚えなきゃいけない。

生理的体重減少とは?新生児の一時的に体重が減る現象って

老廃物を排出

赤ちゃんの体内には便・尿・汗など様々な分泌物・老廃物が溜まっており、排便・排尿・発汗という形で体外へ排出します。

この排出量が母乳やミルクを飲む量よりも多くなることで、生理的体重減少が引き起こされます。

自然減なら心配無用

生後5日くらいまでに体重が出生児よりも3〜10%ほど減りますが、自然な現象なので心配する必要はありません。生後1〜2週間ほどで、元の体重に戻っていきますよ。

引用元-新生児の生理的体重減少とは?計算式は?なぜ体重が減るの? – こそだてハック

  • 赤ちゃんの体内に溜まった老廃物が排出される。
  • 母乳やミルクを飲む量より上回る分だけ体重が減る。
  • 生後1~2週間で出生時の体重に戻る。

新生児期はやっぱりよく観察することが必要ですね。

お母さんの胎内でも、ちゃんと赤ちゃんの体は機能を果たしていたので、老廃物などが溜まっているわけですね。ちょっと考えれば当然とはいうものの、やっぱり人体は不思議がいっぱいです。新生児の体重管理は慎重に。

計算式は?生理的体重減少率を算出する方法

生理的体重減少率の計算式

『(出生児の体重-現在の体重)÷出生児の体重✕100=生理的体重減少率(%)』

【例】
● 出生児の体重:3,000g
● 現在の体重:2,850g

(3,000-2,850)÷3,000✕100=5%

新生児の生理的体重減少の計算方法は、生まれたときの体重から今の体重を引いた値を出生体重で割り、更に100をかけることで算出できます。

出生体重の1割が許容範囲

難しい計算方法ではないので、赤ちゃんの体重の減り方が気になるようであれば計算してみましょう。

生理的体重減少によって赤ちゃんの体重は3〜10%程度減少することから、計算方法がややこしく感じるようであれば、出生体重に0.1(10%)をかけたグラム数までの減少が許容範囲内だと覚えておくと目安になって安心ですよ。

引用元-新生児の生理的体重減少とは?計算式は?なぜ体重が減るの? – こそだてハック

  • 生理的体重減少率の計算の仕方がある。
  • 減った体重を出生時の体重で割って100をかける。
  • ざっくりなら、出生体重の1割までの減少が許容範囲内。

新生児も個人差があるので、愛情持って観察を。

さして難しい計算式ではありませんが、感覚として約1割、というのなら覚えやすいですね。ただ、赤ちゃんも個体差があるでしょうし、ミルクの飲み方などにも差があるので、元気そうでもやっぱり慎重に見守る必要がありそうです。

生理的体重減少?新生児の体重減少について教えて!

赤ちゃんは生後数日は体重が減る

大人には栄養失調という病名がありますが、生まれたばかりの赤ちゃんに対しては体重が著しく減っても栄養失調という言葉を使うことはありません。

多くの赤ちゃんは出生直後の体重と比べ、生後数日の間は体重が減少します。

この早期新生児の体重減少のことを「生理的体重減少」と呼んでいます。

5~7%以内が正しい?

小児科学の教科書には生理的な(正常な)体重減少の範囲は生下時体重の5〜7%以内であり、その体重減少の主な原因は、子宮の中の胎児は細胞外液の水分量が多く出産後の赤ちゃんはそれを失うためと記載されています。

しかし、最近の完全母乳育児関連の学会や論文では、出産後の体重減少が10%までを正常とする意見が述べられています。

時には、完全母乳の赤ちゃんの体重が15%まで減少したとも報告されています。

果たしてその10%や15%の体重減少は正常と言えるのでしょうか。

昔の教科書が間違っていたのでしょうか。

体重減少率の正常範囲は?

完全母乳を実行するとそのような異常な結果となるため、昔の教科書の正常値を無理に変更したり、都合の良い「古いことわざ」を利用してこじつけているようにしかみえません。

体重減少率10%や15%が、赤ちゃんの栄養学的立場から正常であるという根拠があるのであれば、その根拠を示すべきでしょう。

当院の哺育管理(超早期経口栄養法)では、赤ちゃんの体重減少率は下図に示したように5%未満であり、飢餓状態を反映すると考えられている血中遊離脂肪酸の濃度は、生後4時間目に最高値を示すだけで、以後8〜24時間後には臍帯血の値まで低下しています。

大幅な体重減少は栄養失調?

当院のデータを基に、完全母乳の赤ちゃんの体重減少などを見ると、完全母乳の赤ちゃんの大幅な体重減少そのものが脱水/栄養失調であると思われます。

またわが国の産科/新生児の一部施設が、完全母乳哺育の著しい体重減少を赤ちゃんの栄養失調(異常)ではなく(正常な)生理的体重減少として受け止めている背景には、それらの臨床医が哺育管理がまだ十分であったとは思えない1948年の米国で作成されたDancisの体重発育曲線を参考にして新生児の栄養管理を行っていること、もあるのではないかと思えるのです。

生後3日間は栄養失調状態

WHO/UNICEFの母乳推進運動に厳正に従えば、母乳だけで果たして生後数日間に何カロリーの摂取が可能なのでしょうか。

初産婦児などでは、生後3日間は基礎代謝量(50kcal/kg/日)の1/3から1/2以下のカロリーしか摂取できず、まさに栄養失調状態なのです。

引用元-赤ちゃんと予防医学

  • 赤ちゃんに対しては、栄養失調という言葉は使わない。
  • 生理的体重減少は5~15%の説があり、どの程度までが正常か。
  • 党員のデータをもとに見ると、大幅な体重減少は栄養失調。
  • 哺育管理の不十分な時代のデータで栄養管理しているのでは?

新生児は皆、脱水・栄養失調状態になる?!

新生児期の栄養管理にも諸説あるようですね。でも、誤解を恐れず言えば、昔は母乳だけで子どもは元気に育ったわけですし、今の新生児も1週間ほどで体重が増加に転じるなら許容範囲内なのでは?一時的でも栄養失調状態は可哀想ですが。

注意して!減少率が低い場合でも・・

ジリジリ減少は要注意

生下時からの体重体重減少が数%なのに、初・経産婦問わずに生後4日目になっても増加に転じることがないのは要注意です。

体重測定までに授乳間隔が空き過ぎているわけでもないのに、日々赤ちゃんの体重がダダ下がりで、前日比-10〜30g台位の小幅ペースであってもジリジリ減少を続けている時は、赤ちゃんが下手っぴちゃんで、基本的なラッチオンがあやふやで身についていなかったり、合わないポジショニングでまともに哺乳できていないか、乳汁来潮遅延でおっぱいの分泌にスイッチが入っていないかのいずれかか、全てかの場合でしょう。

哺乳量の測定等は毎回

面倒でも哺乳量測定は毎回行い、何らかの補足も必要になってくるでしょう。

健常新生児で生後4日目なんて退院目前ですから、本来は助産師が手を添えてお手伝いする時期でもないし、お母さんにも自立してもらわなくてはならない時期ですが、このまま退院したら、2週間健診の際に赤ちゃんの体重が全く増加しないか、下手をすると激減する危険性を孕んでいるので、退院日には、直母の際のポジショニングから補足の量・回数・授乳表をつけることも含めて念入りに個別指導が必要です。

また、このような場合、退院後一週間以上空けてのフォローは、初回来院時期として不適切です。

出来れば退院後2〜3日後頃に初回フォローが必要です。

1ヶ月健診までにもフォローが必要

そして、困ったことに、母乳育児をしていくにはご自身と赤ちゃんがヤバい状態であると自覚が欠如していらっしゃる方もちらほらなので、1ヶ月健診までに何度かフォローが必要だということも予め伝えておきましょう。

引用元-生理的体重減少が長引くのはヤバいです。(早期新生児期): 最強母乳外来《 過去記事図書館 》

  • 生後4日目になっても体重が増えない場合は要注意。
  • 小幅であってもジリジリ現象するようなら原因がある。
  • 退院日には毎回の測定等の念入りな個人指導が必要。
  • 自覚不足の場合、1ヶ月健診前の複数回フォローが必要。

赤ちゃんの体重が増えるのを確認できれば一安心。

赤ちゃんの体重が減り続ける場合は、本当に心配ですし、必ず病院できちんと検査や測定が必要です。赤ちゃんがちゃんと栄養を摂り、消化吸収しているのかどうかが問題です。病院で体重が増えることが確認できればひと安心。

新生児のケアが大事!生理的体重減少についてしっかり観察しよう

生理的体重減少をどう考えるか

体重測定

体重は、児が退院するまでの間、毎日できるだけ同じ時間帯に測定をする。成熟新生児の場合でも、生後数日間で3〜10%前後の生理的体重減少が起こるが、ときには12%以上になる場合もある。体重減少率は10%以下が望ましいが、10%を越えたから直ちに異常とみなすのではなく、児の全身状態、栄養状態、母乳分泌量、また身長・頭囲などそれぞれの関係性からアセスメントする。
体重測定ひとつとっても、その「行間を読む」ことがいかに大変なことであるかと痛感するこの頃です。

この生理的体重減少をどのように考えたらよいか。
まだまだ臨床での様々な経験や判断を、言語化し共通の認識をまとめたものを目にしたことがないのです。

新生児によって体重変化は差がある

「10%を越えたから直ちに異常とみなすのではなく」。
それもひとつの見方なのですが、お母さんにすれば「まだミルクを足さない」と頑張らざるを得なくなるのはこちらの記事で書きました。

体重増加期に入る時期も、新生児によって2週間ぐらいの差があります。
ミルクを足しても、あるいは母乳もそれなりに飲んでいるようなのに体重が増えず横ばいのままの新生児もいます。

あるいは体重が減っているのでもう少しミルクを足したいと思っても、頑として口を開かずあまり飲まない新生児もいます。母乳にしても、ぐずぐずが多かったり浅い吸い方が続きやすい時期です。
あとで考えてみれば「頑として」いるほど元気なことが多いのですが、中にはどんどんと体重が減ってしまう場合もあります。

そういう新生児もだいたい生後2〜3週間で、急激に体重増加期に入ります。

新生児ケアのフォローに差がある

生後1ヶ月までの新生児のケアで大事な点は、この体重増加期に入り安定した体重増加があることを確認することもひとつです。

現在の日本では、施設によって実際のフォロー方法や考え方に差があることが問題ではあるかもしれませんが、それでも出産施設のフォローと自治体の赤ちゃん訪問事業とで、この1ヶ月前後までの新生児を見守ってきました。

もう少し、この1ヶ月までの新生児の変化が十分に観察され、共通した判断や方法で対応できるようになるとよいのではないかと思っています。

引用元-産後ケアとは何か 6 <新生児のケアと新生児黄疸> – ふぃっしゅ in the water

  • 生理的体重減少が大きいからと即異常と判断しない。
  • 新生児でも体重の増加期に至るまで個人差がある。
  • 生後2~3週間で体重増加期に入る子どもがほとんど。
  • 施設によって新生児のフォロー方法や考え方に差がある。
  • 生後1ヶ月までの新生児への共通の判断や方法が必要。

新生児ケアもまだまだ進化の途上なんですね。

一人一人の赤ちゃんの成長過程の違いを、一括りで判断するのは危険かもしれませんが、現状、医療とはそういったもののようにも思います。とはいえ、無力な新生児が元気に育つための努力は、皆が衆知を集めてやるべきですね。

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