炊飯器を購入するとき、注目すべき点は加熱方式です。
一般的にIH式、マイコン式の炊飯器が主流。それぞれの特徴を調べてみました。
根強い人気のガス炊飯器、内窯の素材や構造も必見。それぞれの特徴を理解して、好みのご飯が炊ける炊飯器を選んでいきましょう。
二つの方式、IH式とマイコン式が炊飯器にはある!
IH炊飯器とマイコン炊飯器の特徴とは
現在市販されている炊飯器には、二つの炊飯方式があります。
電熱ヒーターを利用するマイコン式と、電磁力を使って釜全体を加熱するIH式です。
マイコン式の方が安く、IH炊飯器は高級です。
この二つの違いが明確に分からないという方もいるでしょう。
簡単に説明すると、マイコン式は炊飯時に釜の底面だけを加熱するのに対し、IH式は釜全体を熱するという特徴があります。
IHタイプが主流
マイコン炊飯器は炊飯器底部に設置されている電熱ヒーターによって内釜を熱する事ができます。
その熱によって炊飯や保温ができるのです。
イメージ的には、電気コンロの上に金属製の釜を置き、炊飯できるような構造です。
ちなみに日本初のマイコン炊飯器は、1979年に松下電器産業が発売した「SR-6180FM」です。
これをきっかけに、他の会社でもマイコンを採用するようになり、この炊飯方式は広く一般化されました。
一方でIH式炊飯器についてですが、そもそもIHというのは、電磁誘導加熱(Induction Heating)の意味です。電磁誘導加熱の仕組みを使って保温や炊飯ができるという事です。
電磁力によって金属自体を発熱します。IH炊飯器は、内釜自体を直接加熱します。
そのため、ih炊飯器の内釜は、ihと相性の良い金属製が採用されています。
ここ数年で、底部のヒーターで温めるマイコンタイプより、内釜自体が直接発熱し高火力で炊けるIHタイプの方が主流になっています。
- 炊飯器には、マイコン式とIH式がある
- マイコン式は低価格、IH式は高め
- マイコン式は底面だけ、IH式は窯全体を加熱する
- 高火力で炊けるIH式が主流
炊飯器が壊れて新しいものを買おうとしたとき、ピンからキリまである炊飯器の種類に驚かされたのを覚えています。値段で選ぶとマイコン式になるのですが、口コミを見ると圧倒的にIHをおすすめしている人が多かったですね。
マイコン式とは・・電熱ヒーターで釜底を加熱して炊飯または保温をします
炊飯時間と温度をコントロール
炊飯器底部に取り付けられている電熱ヒーターで内釜を加熱し、炊飯・または保温を行ないます。電気コンロの上に金属製の釜を置いて、ごはんを炊くような構造と考えていいでしょう。
しかし、なぜ電熱ヒーターを使う電気炊飯器をマイコン式炊飯器と呼ぶのでしょうか。
実は、マイコン式以前の電気炊飯器は、炊飯中に内釜が特定の温度に達すると、電熱ヒーターに供給される電気をストップするという、単純な制御によって炊飯を行なっていました。しかし、その方法では正確な温度制御が難しく、炊きムラの発生が避けられませんでした。
この欠点を解消するために取り入れられたのがマイコンです。マイコンが炊飯時間と温度をコントロールすることで、炊きムラを抑制でき、さらには保温も可能になりました。
松下電器産業が作った電気炊飯器
日本で初めてマイコン制御を搭載した電気炊飯器は、1979年に松下電器産業が発売した「SR-6180FM」という製品です。それ以降、各社ともマイコン制御を採用するようになと、マイコン式炊飯器という呼び名も一般化され、現在でも受け継がれているというわけです。
- マイコン式炊飯器は、底部の電熱ヒーターで加熱する
- マイコン式は、炊飯時間と温度をコントロールして、炊きムラを解消した
マイコンとは、マイクロコントローラーの略だったのですね。分かりやすくすれば、電熱ヒーター式とでもなるのでしょうか。当時は相当画期的な電化製品だったのでしょうね。
IH式とは・・大火力でムラがない!電磁誘導加熱で釜全体を直接加熱します
IHの仕組み
IH式の電気炊飯器は、電磁誘導加熱(Induction Heating、略してIH)という仕組みを利用して炊飯や保温を行なっています。この仕組みはIHクッキングヒーターの解説で説明しているとおり、電磁力によって金属自体を発熱させるという加熱方式です。
IHクッキングヒーターでは、この電磁誘導で金属製の鍋を直接加熱するという仕組みでしたが、IH式炊飯器では内釜自体を直接加熱し、炊飯・保温を行ないます。そのためIH式炊飯器の内釜は、素材に金属などIHと相性の良い素材を使用しています。
強い火力で一気に過熱
ごはんをおいしく炊くポイントは「強い火力で一気に加熱すること」ですが、マイコン式は釜底から伝ってくるヒーターの熱を使っているため、直火に匹敵する火力を得るのはなかなか難しいのが現実です。しかしIHならば、炊飯器の底面だけでなく側面や上部(フタ)にも設置することで、電熱ヒーターよりも遥かに大きな火力を得やすなります。これにより、マイコン式よりもさらに加熱ムラのない炊きあがりが実現できるというわけです。
またIHでは、発熱量の調節が容易なことから温度管理がしやすいという利点もあり、これは玄米や麦、雑穀の炊飯や、保温にも活用できます。IHの採用は、電気炊飯器の炊飯能力の向上だけでなく、機能面の向上にも貢献しているのです。
初めてIHを採用した炊飯器は、1988年に松下電器産業が発売した「SR-IHシリーズ」という製品です。
- IH炊飯器は、内窯全体を加熱させて炊飯と保温をする
- マイコンよりも火力が強い
- 加熱ムラがない
- 玄米や雑穀の炊飯にも最適
IH炊飯器の特徴を見ると、やはりマイコン炊飯器よりもおいしく炊き上がりそうですね。また、マイコン炊飯器よりも値段が高いのも理解ができます。炊き上がりにこだわるのであれば、IH炊飯器かもしれません。
炊飯器の加熱方式とは?IHとマイコン以外にも存在する
高火力が魅力的なガス炊飯器
根強いファンがいるガス炊飯器ですが、その魅力はガスならではの高火力にあります。IH炊飯器が高火力にこだわり進化しているとおり、ガスならではの高火力は魅力的です。また、最近のガス炊飯器にはタイマー機能や保温機能(電子ジャー)など付いたものもあり、選択肢の1つとして考えるのもよいのではないでしょうか。
ガス炊飯器は種類が少ない
●ガス炊飯器
字のごとく、ガスの火力で炊飯するタイプ。LPガスや都市ガス用がありますが、
機種の種類は少ないようです。
- ガス炊飯器は高火力が魅力
- LPガス用、都市ガス用の機種がある
一昔前の炊飯器と言えばガス炊飯器。ご飯の味にこだわる人ほど、ガス火で炊いたものを好んだりしますよね。高い火力がご飯を美味しくさせてくれるようです。お焦げも魅力的ですよね。
内釜にもこだわろう!IH?マイコン?加熱方式以外の炊飯器にも
内釜の種類
内釜の種類は主に「素材」や「構造」の
違いにより分けることができます。◆素材
内釜の価格を大きく左右するのが素材で、
主に以下の4つの素材が使われています。・鉄釜
ステンレス内釜よりも発熱性があり、
大きな火力で炊くことができます。・銅釜
釜全体を均一に素早く加熱することができる
熱伝導の高さが特徴です。・炭釜
熱伝導率も高く、遠赤外線の効果で
むらなく加熱することができます。・土鍋
ゆっくりと熱が伝わるので蒸らし効果があるのと、
高い蓄熱性で冷めにくい特徴があります。この他に熱伝導効率の良い素材を
混ぜているものもあります。一般的には上位機種になるほど特殊な素材が
多く使われ、内釜の厚みも増す傾向にあります。メーカー間で簡単に内釜の厚さでの比較はできませんが、
メーカーごとに厚さで価格が違い、中間くらいの
機種でも内釜の厚いお得なモデルもあります。
内窯の構造
◆構造
内釜の構造には一般的に
以下の3つの構造があります。・厚釜
釜を厚くすることによって、
熱を蓄え包み込むように炊くことができます。一般的にはだいたい2.3mm以上の厚みがあると
「厚釜」と呼ばれています。・多層釜
銅・金・ダイヤモンドなどの熱伝導効率の高い素材を
7層・8層・9層などと層状に重ね合わせて、
より熱伝導を高めています。・真空釜
魔法瓶のように真空層を持つタイプで、熱が逃げにくく、
熱を早く内部に伝えることができます。また、厚釜や多層釜と比べると重量が軽くて
扱いやすいのが特徴です。
- 炊飯器の内窯の素材は、鉄窯、銅窯、炭窯、土鍋がある
- 素材によって価格が変わる
- 内窯の構造は、圧窯、多層窯、真空窯も3つ
こんなにも種類があることに驚きです。炊きあがりの差は、加熱方法だけでなく内窯の素材や構造も関係しているのですね。買い替える時は、それぞれの特徴を理解して、こだわりの炊飯器を選んでいきたいですね。